舌がヒリヒリ、ピリピリ、チリチリ痛く感じる、しびれるような気がする、というようなことはありませんか。
舌の表面にびらんのような傷、潰瘍や発赤などがあれば、その症状の原因であると考えられます。
この場合、アフタ性口内炎、口腔カンジダ症、扁平苔癬など、口の中の病気であることが疑われますが、病院、歯科医院などを受診して、医師、歯科医がどんなに目を凝らして観察しても、それらの病気にあてはまらない、または異常と認識できる病変がない場合があります。
こういった場合、舌痛症と呼ばれる病変である可能性があります。
では、舌痛症とはどのような病気なのでしょうか。
舌痛症の定義は、一般的に、「舌ないし口腔内に形態的、解剖学的に異常がみられないにもかかわらず、持続的な自発痛、異常感を舌に感じること」です。
つまり、舌自体に問題はなく、血液検査など臨床諸検査値が正常であるにもかかわらず、慢性的に持続性舌痛がある状態をいいます。
一方で、ご飯を食べていたり、談話時など何かに集中している時には舌の痛みが消失する傾向があります。
この病気の特徴として、舌の先やへりに痛みが多く見られ、圧倒的に女性に多く発症しますが、男性にも見られることがあります。
年齢的には、40~60歳代の方に多く見られますが、20代の方にも起こり得ます。
また、この病気は神経症的な傾向が強く、癌恐怖があるなど自律神経が不安定な時に起こりやすくなります。
舌痛症の症状を改善する方法として、まずうがい薬を試してもらい様子を診ます。
次に、痛み止めの漢方(立効散etc.)や、口内炎、神経症の漢方(半夏瀉(ハンゲシャ)心湯etc)などを服用します。
心因性の痛みは、当初原因がわからないことも多く、精神科医等と連携し、心理テストなどを行うことにより、舌痛症と判明する場合も多くあります。
ストレスを多く感じる方や若い方にも見られる病気でもあるので、一人で悩まずに、一度相談して頂きたく思います。
彩都歯科クリニック